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最高裁判所第二小法廷 昭和39年(あ)1133号 判決

主文

本件上告を棄却する。

理由

被告人本人の上告趣意その一乃至その三は、事実誤認、単なる訴訟法違反の主張であって刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

弁護人伊藤典男の上告趣意第一点は、事実誤認、単なる訴訟法違反の主張であって同四〇五条の上告理由に当らない。

同第二点は、違憲をいうけれども、憲法三七条二項の規定が裁判所は被告人側の申請する証人はすべてこれを取り調べなければならないものではなく、健全な合理性に反しない限り、一般に自由裁量の範囲で適当に証人申請の取捨選択をすることができる趣旨であること論旨引用の判例(昭和二三年(れ)第八八号同年六月二三日大法廷判決、刑集二巻七号七三四頁)の示すところであり、この判例を変更する必要を認めないから、所論は理由がない。

同第三点は、単なる訴訟法違反の主張であって刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

弁護人大池竜夫の上告趣意は、事実誤認、単なる訴訟法違反の主張であって同四〇五条の上告理由に当らない。

また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よって同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 奥野健一 裁判官 山田作之助 裁判官 草鹿浅之介 裁判官 城戸芳彦 裁判官 石田和外)

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